人や動物は、なぜ眠るのでしょう。単純にいえば、脳が「眠れ」という指令を出すからです。脳は、眠らなければ死んでしまうことを知っています。何日を眠らずに過ごせるかというチャレンジ記録はいろいろありますが、眠らないでいると、体調はどんどん悪くなっていきます。ずっと起きたままで生き続けることはできないのです。

生物はすべて「活動」「休息」の時間を分けている

睡眠が脳の働きだとすると、脳を持たない生き物は眠らないのでしょうか?

微生物やクラゲも「眠って」いる

クラゲ

じつは、すべての生き物は、「概日リズム」というものにしたがって生きています。概日リズムとは、1日24時間のスパンで変動する生理的な現象のことです。
微生物や、原始的な神経系を持つ無脊椎動物でも、この概日リズムによる「活動」と「休息」が見られることがわかっています。この「休息」が脳の進化とともに発達し、「睡眠」となったと考えられています。
実際に、脳を持たず、神経細胞が体中に散在しているクラゲや、脳と神経節からなる神経系を持つ昆虫における「休息」について研究した論文も発表されています。
これは簡単に言うと、わざと「休息」を邪魔することによって、邪魔がない状態と比較する実験法だそうです。クラゲや虫たちは「休息」が不足すると、次の日はゆっくり休んだり、寝不足のようにぼんやりとしか動けなかったりする現象が見られるそうです。睡眠不足の人間がとる行動とよく似ていますね。まあ、ちょっと可哀想な実験方法ですが……。

魚たちの「原始睡眠」、爬虫類の「中間睡眠」

魚類や両生類は、さらに脳神経系が進化した脊椎動物です。これらの睡眠は「原始睡眠」といわれています。
魚類は水底にじっとしていたり、泳がずに浮いたりして、休息をとっていますね。このときの脳波は微弱なために測定が難しく、覚醒時とどう違うのかはよくわかっていないようです。一生を泳ぎつづけるマグロも、泳速が明らかに遅くなる周期があり、これがマグロの「眠り」なのではないかと言われています。
爬虫類の睡眠は「中間睡眠」といわれ、生命維持や本能を司る大脳辺縁系が発達し、真睡眠に近い「睡眠」が見られます。大脳辺縁系は古い脳とも呼ばれますが、人間の睡眠もこの部分が司っていることが知られています。
比較的新しい研究では、トカゲの脳波にも、レム睡眠・ノンレム睡眠に似たパターンが見られたそうです。鳥類や哺乳類の「真睡眠」の源はこの辺にありそうです。かつて地球上に存在した恐竜も夢を見ていたのかもしれない、という魅力的な説も唱えられています。

ノンレム睡眠をとる動物たち

レム睡眠の「レム(REM)」とはRapid Eye Movement(急速眼球運動)のことです。目がぴくぴく活発に動くことからその名があります。このレム睡眠時に、人間は夢を見ていることがわかっています。
生き物の睡眠は、かつてはレム睡眠だけだったのが、大脳が発達してエネルギーをたくさん使うようになったために、脳を休ませる必要が生じて、ノンレム睡眠が生まれたと言われています。
レム睡眠・ノンレム睡眠は、浅い眠り・深い眠りという言い方もできます。
このように睡眠を科学的に定義できるようになったのは、20世期初頭に脳波を測定することができるようになったからです。覚醒して緊張している状態、覚醒してリラックスしている状態、うとうとしている状態、浅い眠り、深い眠りといった、脳波の帯域の特徴的なパターンがわかったのです。

レム睡眠とノンレム睡眠については「人生の質も左右する「睡眠のクオリティ」の高め方」という記事で詳しく説明しています。

こうして人間の睡眠の研究が進むと、いろいろな動物がどうやって睡眠をとっているのかわかってきました。

脳が半分起きている「半球睡眠」

長距離飛行をする渡り鳥は「半球睡眠」という方法をとっています。これは脳が半分ずつ起きている眠りです。さらに、短いながらもノンレム睡眠もとっているようです。飛行機の自動運転モードのようですね。
カモなどの水鳥もまた、脳が眠っている間も流されないように水をかく筋肉が動いているそうです。

海洋哺乳類の神秘的な寝姿

マッコウクジラ

この「半球睡眠」は、一定時間ごとに水面に出て呼吸をする必要がある海洋哺乳類にも見られます。
水族館で観察していると、イルカが片目だけ開けている様子を見られると思います。彼らは眠っているときに敵に襲われたり、群れからはぐれたりしないように、互いに寄り添ってゆっくり泳ぎながら眠ったり、子育て中に片目だけを開けて子どもの姿を追ったりしています。なかなかおもしろいですね。
一生の7%しか眠らないといわれるマッコウクジラの立ち寝の姿が撮影されて、話題になったこともあります。円陣を組んで直立してじっとしている様子は、たいへん神秘的なものです。

捕食や食性に左右される陸の哺乳類の睡眠時間

哺乳類

哺乳類の眠りはとても多様です。
草食動物は捕食されないようにぐっすり眠る時間が短く、肉食動物よりもノンレム睡眠が短いと言われています。
睡眠時間もさまざまで、睡眠時間が短い哺乳類として有名なキリンは1日20分しか眠らないと言われます。象も3時間と短めです。どちらも大きな動物で、睡眠が短いのは一日中起きて食事をしていないと、大きな身体を維持できないからだと言われています。
逆に睡眠時間が長いことで知られるのは、コアラの22時間です。これも食性が関係しており、栄養価の低いユーカリを主食しているため、消化にたくさんのエネルギーを要するのでよく眠るのです。
トラやライオンなどもよく眠っていますが(1日14時間くらい)、あれは敵に襲われる心配がないからのんびりしているわけではありません。毎日獲物がいるとはかぎらないし、いざ狩りが始まると何日も膨大なエネルギーを消費することになるからです。そう考えると、あまり羨ましくないですね。

睡眠をコントロールする人間は、本能が壊れている?

人間に一番近い類人猿は、総じて人間より長い睡眠をとります。具体的にはゴリラで12時間、チンパンジーで10時間といわれ、彼らなりに快眠の工夫もするといいます。
一方で、人間の平均的な睡眠時間は7〜8時間です。この差は、人間と類人猿の脳の違いに原因があります。
人間の脳の特徴は、思考や言語を司る大脳新皮質がきわだって発達していることです。人間が決めた時刻に起きたり、眠気を我慢したりというふうに睡眠をコントロールできるのも、この大脳新皮質の発達のおかげです。
いわば本能に逆らって睡眠をコントロールできるということは、多様な睡眠の取り方ができ、覚醒時間を自在に使えるという反面、じつは生存をおびやかしているとも言えます。
脳が休息を求めているのに無理をして起き続けたり、生活の都合で不規則な睡眠を余儀なくされたり、という生命維持の本能に逆らった行動は、動物としての睡眠リズムを乱すのみならず、体調不良を招く危険な行動なのです。
あまたの動物の中でも、人間が睡眠トラブルに悩まされているのは、人間が本能のみに生きていないということを表しているのかもしれませんね。

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