眠りが浅い、寝つきが悪いなど、さまざまな睡眠のお悩みをもつ方が、たくさんいます。
睡眠薬や睡眠導入剤などの「眠剤」は、そうした睡眠の悩みを和らげてくれる薬です。主な作用・効果としては、「不安を和らげる」「気持ちを鎮め眠りやすくする作用」「筋肉の強張りを緩和する作用」があります。
ただし、作用は薬ごとに異なり、効き目には個人差があります。持病やほかの薬の服用と組み合わさると症状が悪化するものもあります。副作用や依存性の可能性もきちんと理解し、正しく服用することが大切です。
今回は、眠剤の種類、副作用から、陥るとコワイ依存性まで、服用に関する注意点をまとめました。
目次
【種類別】睡眠薬・睡眠導入剤の説明
睡眠のお悩みを助けてくれる薬には、睡眠薬、睡眠導入剤、睡眠改善薬があります。
このうち、睡眠改善薬は、薬局やドラッグストアなどで手軽に購入できますが、睡眠薬や睡眠導入剤は医師による処方箋が必要です。
睡眠薬や睡眠導入剤には、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系があり、作用時間の長さによって4つに分類されます。非ベンゾジアゼピン系は、すべて「超短時間型タイプ」ですが、該当する薬の数はあまりありません。一方、ベンゾジアゼピン系の眠剤は多種多様にあります。
といっても何のことかわからないと思いますので、ここからは詳しく、分類ごとの特徴を見ていきましょう。
同じ分類でも薬(商品)ごとに作用時間などに差があり、個人の体質、体調などでも効果の出方が違います。数値はあくまで目安として参考にしてください。
超短時間で効果が出る睡眠薬・睡眠導入剤
- 効果が出始める目安:服用15分程度で効き始め、1時間内でピーク
- 効果持続時間(半減期):2~4時間
- 適する症状:寝付きが悪い、就寝時の考え事が多いなどの入眠障害
- 特徴:作用時間が短いため翌朝に眠気を持ち越すことは少ない。非ベンゾジアゼピン系は筋弛緩作用が弱く高齢者でも安全
- 代表的な商品名:ベンゾジアゼピン系(ハルシオン)、非ベンゾジアゼピン系(マイスリ―、アモバンなど)
短時間で効果が出る睡眠薬・睡眠導入剤
- 効果が出始める目安:1~2時間で効き始め、3時間後あたりがピーク
- 効果持続時間(半減期):6~12時間程度
- 適する症状:寝付きが悪い、睡眠の前半によく目が覚めるなど
- 特徴:翌朝に眠気を持ち越すことはあまりない
- 代表的な商品名:ベンゾジアゼピン系(レンドルミン、レスミー、デパスなど)
中時間型の睡眠薬・睡眠導入剤
- 効果が出始める目安:1~2時間で効き始め、穏やかに持続
- 効果持続時間(半減期):12~24時間
- 適する症状:夜中に何度も目が覚める、朝早く目覚めてしまう
- 特徴:翌朝に眠気を持ち越すことがある
- 代表的な商品名:ベンゾジアゼピン系(エリミン、ユーロジン、ネルボンなど)
効果が出るためにある程度の時間がかかる睡眠薬・睡眠導入剤
- 効果が出始める目安:1~8時間で効き始め、穏やかに持続
- 効果持続時間(半減期):24時間以上
- 適する症状:中途覚醒、早朝覚醒、慢性的な不眠、強い不安感
- 特徴:一日中、作用が持続する
- 代表的な商品名:ベンゾジアゼピン系(ドラール、ダルメート、ソメリンなど)
市販の睡眠改善薬
気になるのは、「医師が処方する睡眠薬や睡眠導入剤と、ドラッグストアで買える睡眠改善薬はどこが違うのか」ということです。
効果が出始める目安は、「長短時間型タイプ」と「短時間タイプ」の間ぐらいになります。
- 効果が出始める目安:30分~1時間程度
- 効果持続時間(半減期):個人差あり
- 適する症状:時差ボケや一時的な不眠、断続的使用には適さない
- 特徴:ジフェンヒドラミン塩酸塩(抗ヒスタミン剤)による誘眠作用 ※抗ヒスタミン剤はかぜ薬などにも含まれる
- 代表的な商品名:ドリエル、リポスミン、ウット
睡眠薬・睡眠導入剤にはどんな副作用があるのか
睡眠薬・睡眠導入剤には副作用があるのでは?というイメージがありますよね。しかし、安全性については、以前よりも高くなっています。ただし、副作用が出る可能性はゼロとは言えません。誤った服用をしたり、体質や生活サイクルと眠剤(種類・量)が合わかったりすると、副作用は出やすくなります。
起こり得る副作用は、次のようなものです。
眠気
眠剤が作用する時間との関連で、翌朝眠気が残っていることがあります。とくに、中時間型や長時間型の睡眠薬の服用時は確率が高くなるでしょう。
ふらつき
筋弛緩作用の効き目が続いている間は、ふらつきや脱力感が起こりやすくなります。筋力・体力の落ちている高齢者はとくに注意が必要です。
健忘・記憶障害
ベンゾジアゼピン系は、記憶を司る脳の海馬の働きも低下させてしまいます。超短時間型は急速にその作用が出るため、服用後の記憶があいまいになりやすいようです。飲酒と服用が重なったとき、服用量が多すぎたときにも起こりやすくなります。
断薬時の反跳性不眠
飲み続けていた睡眠薬をいきなり止めると、不眠症状が強く出てしまうことがあります。また、動悸、発汗、頭痛などの不快な離脱症状が見られることも多いです。とくに超短時間~短時間型の服用や長期服用者は注意したほうがいいでしょう。
そうならないように、徐々に服用する間隔や量を減らしたり、より穏やかな種類に変えたりすることが必要です。
睡眠薬(睡眠導入剤)に依存してしまわないように注意!
睡眠薬(睡眠導入剤)は、服用期間が長くなるほど依存的な症状も出やすくなります。
たとえば次のような依存症状があります。
身体が薬の作用に慣れてしまう
睡眠薬は脳神経に働きかけますが、継続的になると、次第に脳にとってその働きかけが当たり前のものになってしまい、同じ服用方法では効果が出にくくなります。連続して服用していると、だんだん多量化、高頻度化を欲するようになる可能性が高くなるでしょう。
服用しないと眠れない
睡眠薬を服んでいるという信頼感や、睡眠薬がなければ眠れない状態に戻ってしまうという恐怖感にょって、精神的な依存が生まれることもよくあります。服用を長期化すべきではないことがわかります。
薬が手元にないと不安になる
前項のように、睡眠薬そのものに不安な気持ちを抑える効果があります。睡眠以外の時間(日中)も不安感に備えて携帯し、手元に睡眠薬がないと不安に陥るケースもあるようです。乱用に発展する可能性があります。
やってはいけない睡眠薬(睡眠導入剤)の服み方
睡眠薬(睡眠導入剤)服用において、次のようなことはやってはいけません。
もちろん、原則として薬を処方してくれる医師の指導に従うことが最も大切です。
複数の睡眠薬を並行服用する
服用中は、不眠症状がどのくらい改善されたか、その薬との相性を見ながら、種類や服用時間、量を調節していくものです。複数の薬を併用してしまうと、ひとつの薬の効果を測れなくなってしまいますから、医師が適切な処方をできなくなってしまいます。
勝手に量を増減したり、断薬する
自分勝手に薬の服用量や頻度を調節したり、また、止めたりすることもよくありません。
睡眠薬の量を増やしたい、あまり間隔を空けずに服用したくなるといった欲求が生まれやすくなり、身体的、もしくは精神的な睡眠薬への依存につながっていきます。医師の指示なく勝手に調節をすることは、睡眠改善どころか、副作用が生じたり、依存度が強くなったりして、肝心の不眠症状がさらに悪化してしまう可能性を高めてしまいます。
アルコールと一緒に服用する
アルコールも睡眠薬も、ともに肝臓で代謝されます。2つの代謝が同時進行すると、睡眠薬の作用時間や濃度について、本来のペースが乱れてしまいます。睡眠薬の効果が出る時間が遅れて、眠気が強く残ってしまうケースも少なくありません。強い副作用や中毒症状につながる恐れがあるので、睡眠薬服用時の飲酒は控えましょう。
服用して時間をおかずに車を運転する
これは当たり前のことですが、睡眠薬を服んで効き目が出るまでにはしばらく時間があると考えて、車を運転してしまう人がいます。
しかし、効果が出始める時間というものは、その日の活動の負荷や体調で変化するものなのです。睡眠薬の作用が効いているときの交通事故は、ほぼ必然であると思ったほうがいいでしょう。運転は絶対に禁物です。
睡眠薬(睡眠導入剤)の正しい服用
睡眠薬(睡眠導入剤)の正しい服用法について理解を深めていきましょう。
自分の症状の種類・程度に合った睡眠薬を、適量服用する
睡眠薬や睡眠導入剤には多種多様な種類があり、それぞれの作用時間や効能の特徴も異なります。誰かの睡眠の改善には役立ったとしても、他の人が服んでも合わないことは十分あり得ます。個人の体質や体調、不眠の症状、その症状の程度によって適切な睡眠薬が違ってくるという認識をもちましょう。
医師に相談の上、適切な処方を受ける
自分に合っている睡眠薬とは、自分の睡眠の悩みを快方に向かわせてくれる睡眠薬です。不適切な睡眠薬を選んでしまうと、不眠が悪化したり、薬に依存するリスクも高まってしまいます。
適切な睡眠薬を選択しなければなりませんが、何度も言うように、睡眠薬の種類は非常に豊富です。また、同じ薬でも、症状の変化に合わせて調整することが必要です。
そのためには、専門家である医師の助けは必須であり、何よりも有効です。
医師が処方するときに示す用法や用量は、必ず守りましょう。服用中に副作用が出たり、効かなくなったと感じたりしたときも、自分で量を調整するのではなく、医師に相談し、指導を仰ぐのが適切です。
生活習慣の改善と並行して睡眠薬を服用する
不眠の悩みを解決する方法として、睡眠薬を活用するのはたしかに有効手段のひとつです。
しかし、そもそもその不眠をもたらしている生活習慣を改善しなければ、本来のぐっすり眠る力を取り戻すことは難しいでしょう。生活習慣を一切変えずに、睡眠薬だけで不眠を治そうとすれば、身体の慣れや長期服用によって、依存という新たなリスクが生まれてしまいます。
睡眠薬の助けを借りつつ、心身を自分の行動によって眠りやすい環境に近づける努力もしていきましょう。
途中にも書いた通り、研究や治験・臨床データも増え、睡眠薬(睡眠導入剤)の安全性は向上しています。しかし、正しい服用でなければ、やはり副作用や依存が発生する確率は高くなってしまいます。
睡眠薬に頼ることは決して悪いことではありませんが、勝手な自己判断は禁物です。服用には正しい知識と調整が欠かせません。医師の処方やアドバイスを守りながら服用されることを強くおすすめします。
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