あなたは鼻と口のどちらを使って呼吸していますか?
口を使った呼吸を「口呼吸(くちこきゅう、こうこきゅう)」といいますが、哺乳類の中で口呼吸をするのは、じつは人間だけだと言われています。
その口呼吸が健康に悪いと聞いたことがある人も多いでしょう。
一体どういうことでしょうか。

口呼吸するのは人間だけ

まず、哺乳類は基本的に「鼻呼吸「びこきゅう、はなこきゅう)」です。人間に近い類人猿も口呼吸はしていません。
なぜ人間だけが口呼吸をするようになったのでしょうか。
じつは理由はよくわかっていません。直立して常に二足歩行するようになって食道がまっすぐになったからだとか、言語能力の発達と関係しているとか、いろいろな説があります。

哺乳類はすべて鼻呼吸

ほとんどの哺乳類は、鼻でしか呼吸できません。
人間に近い類人猿のゴリラやチンパンジーは、上を向いた大きな鼻の穴を持っています。動物園で観察していると、ときどき鼻ほじりのような行為をしているのを見ますが、鼻づまりしないための行動かもしれません。
馬も、走った後に大きな鼻の穴を開いて、荒い鼻息をついていますね。
キリンも、長い舌でていねいに鼻掃除をしているのが見られます。
みな、鼻でしか呼吸できないからですね。

ウマ、ゴリラ、キリン

犬の「ハアハア」は口呼吸?

犬も普段は鼻呼吸をしています。舌を出して「ハアハア」と口で息をしているのは、口呼吸のように見えますが(「パンティング」と言います)、よく見ると、人間の口呼吸よりもずっと浅く速くて、たくさんの酸素を取り込めてはいません(犬に合わせて「ハアハア」してみると苦しくなりますよね)。
犬は、激しい運動をしたり興奮して体温が上がっても汗をかけないので、舌を出して水分を蒸発させることで、体を冷やしているのです。つまり、犬の口呼吸は肺にたくさん空気を送り込むためではなく、体温調節のためです。

犬の呼吸

人間も本来は鼻呼吸

人間もまた哺乳類ですから、本来の呼吸は鼻呼吸で、口呼吸ではありません。
鼻という器官は、口に比べて呼吸のための高度な機能を備えています。だから生まれたばかりの赤ちゃんが最初に覚えるのも鼻呼吸です。赤ちゃんはみな鼻呼吸をします。母乳を飲むときも鼻呼吸をしていますね。鼻呼吸が、人間本来の呼吸なのです。

人はなぜ口呼吸してしまうのか

赤ちゃんが、やがて食物を食べ言葉を発するようになるころには、口呼吸もできるようになります。そして幼児期になると、いつも口呼吸をしている子どもが散見されます。
そういう子どもが、口呼吸が習慣になったまま大人になる場合もあります。
なぜ、本来の鼻呼吸ではなく口呼吸をするようになってしまうのでしょうか。
ひとことで言えば、口で息をするほうが「楽だから」、鼻で呼吸をするのが「苦しい」からです。
では、どのようなときに鼻呼吸を「苦しい」と感じるのでしょうか。まず鼻の役割を調べてみました。

鼻の役割は何か

口は、本来、消化器官です。そして鼻は嗅覚器官、呼吸器官です。
嗅覚器官としては、空気の中の匂いの粒子をとらえ、その情報を脳に伝達する役割があります。
呼吸器官としては、身体に入ってくる空気を加湿加温し、気管や肺を保護する役割と、空気中の微細な粒子をキャッチして体の中に入り込むのを防ぐ役割があります。
また、空気の流れを調節したり空洞で共鳴させたりして、発声にも役立っています。

鼻呼吸だと苦しくなる人がいるのはなぜ?

人間が口呼吸を行うのは、本来の呼吸である鼻呼吸を苦しいと感じたときです。なぜ苦しいかというと、主に「鼻閉(鼻づまり)」が起こったときや、激しい運動をしたときです。
鼻づまりの原因は、

  • 鼻腔粘膜の炎症である鼻炎で鼻腔が腫れを起こしたとき
  • 副鼻腔炎で粘度の高い鼻水がたまったとき
  • 構造的に鼻づまりが起こったとき(鼻中隔彎曲症、ポリープ、アデノイドの腫れなどで鼻腔を通る空気の流れが悪くなってしまう)

などがあげられます。
上記のような原因で、空気を鼻から十分に吸うことができず、「息苦しさ」を感じると、人は口呼吸を行ってしまいます。
口は鼻よりもずっと開口部が大きく、鼻毛や鼻粘液のような呼吸抵抗がありません。たくさんの空気を一度に楽に取り込むのは鼻よりも楽なのです。
100メートルを全力疾走するといった激しい運動をすると、どんな人も口を開いて空気を取り込まずにはいられません。鼻呼吸では呼吸が追いつかず、息切れを起こしてしまうからです。
ただし、最近ではスポーツの分野でも、口呼吸を続けることの弊害から、鼻呼吸をうまく取り入れる考え方が主流になっています。

問題なのは、いっときの息苦しさや鼻づまりが解消した後でも、口呼吸が習慣になってしまうことです。
口呼吸が習慣になってしまうと、鼻呼吸に使う筋肉が衰え、ますます口呼吸に頼るようになってしまいます。
口のほうが楽に空気を取り込めるのだから、それでいいじゃないかと思うかもしれませんね。
口呼吸は、いったい何が問題なのでしょう。

口呼吸がよくない理由とは

口には鼻のようなバリア機能がない

鼻のバリア機能

鼻の大事な役割に、空気中の微細な粒子(ホコリ、花粉、ウイルスなど)を捕らえ体外に排出(鼻水、痰)する働きがあります。鼻腔の繊毛と粘液が粒子を捕らえるバリアとなっているのです。そして空気を温め湿度を高めることでウイルスの活性も鈍らせてくれます。喉の奥には扁桃腺(リンパ組織)もありますから、ダブルのバリアで身体を守る仕組みになっています。
口にはそれらの働きがないので、本来鼻でブロックできたはずの異物まで取り込んでしまいます。病原体がそのまま通過すると、扁桃腺の免疫機能で対応しきれないことも起こり、感染症にかかりやすくなるのです。

冷たい空気、乾いた空気が入り込み、酸素取り込みの効率が悪い

また、鼻には加湿・加温の機能もあります。鼻呼吸は肺が酸素を取り込むのに適した空気の温度・湿度を与えてくれているのです。
これに対して、口は乾いた冷たい空気をそのまま送り込むことになるので、肺が酸素を取り込む効率が下がってしまいます。
たくさん空気を吸ったとしても、実際には酸素をたくさん取り込めているわけではないのですね。

また、口呼吸をすると、口の粘膜がが乾きやすくなります。
口が乾いて唾液の分泌が追いつかなくなると、唾液の殺菌清浄作用が働かず、虫歯や歯周病、口臭を引き起こす一因になるとも言われています。

代謝が低下する

口呼吸でたくさん空気を取り込もうとすると、同時にたくさん息を吐くことで、必要以上に二酸化炭素を出してしまいます。
そうすると血中の二酸化炭素の濃度が低下して、酸素を補給する動脈が収縮して循環が悪くなり、体の細胞全部に酸素が十分に届きにくくなってしまいます。
末梢に酸素が行き渡らないと代謝が低下するので「冷え」を感じたり、疲れやすくなったり、免疫力が下がって病気にかかりやすくなります。

眠っているときに口呼吸になっていませんか?

口呼吸が習慣になってしまうと、鼻呼吸の筋肉が衰え、咽頭が狭くなってしまいます。
咽頭が狭くなると、眠っているときは口周りの筋肉が緩み、口呼吸になってしまうことが多いのです。睡眠時の口呼吸は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になります。

睡眠時に口呼吸になっていることを自覚することは難しいかもしれません。
次のようなチェックリストで自己診断してみてください。

睡眠時の口呼吸チェックリスト
☑ 口の中が乾きやすい
☑ 無意識に口が開いている
☑ 唇が荒れている・唇が乾いている
☑ 鼻づまりがある
☑ いびきをかく
☑ 起床時に口の中が乾いている
☑ 起床時にのどが痛い
☑ 起床時に口臭がある
☑ 寝ている間に唾液が出る

鼻呼吸に戻すために

口呼吸が習慣になってしまうと、鼻呼吸に戻そうとしても、苦しいと感じてしまうかもしれません。そんなときは、以下を試してみてください。

  • 鼻呼吸トレーニング「あいうべ体操」
    内科医の今井一彰先生が提唱している、口呼吸を鼻呼吸に改善していく簡単な口の体操。「あ・い・う・べ」という4つの動作を順に繰り返して呼吸に関係する舌などの筋肉を鍛えると、口を閉じやすくする効果があるそうです。

  • 口テープで口を閉じる
    就寝時に、医療用テープで口を閉じさせるというものです。唇の上下1か所あるいは数か所をとめて、口呼吸を阻害し鼻呼吸に導くために使います。そのための専用のテープも市販されています。
  • 鼻テープで鼻腔を拡張する
    就寝時に鼻に着用するテープです。鼻呼吸を楽にし、いびきの解消や快眠のために使います。鼻腔拡張テープとして市販されています。

鼻づまり対策をする

温かいタオルを鼻に乗せて血行をよくすると、鼻づまりが解消しやすくなります。
就寝時にマスクを使用すると、加温・加湿効果があり、口まわりの乾燥を防ぎ、鼻呼吸が楽になります。就寝時専用のマスクとして、絹の布マスクや水分フィルターをプラスしたマスクなど、いろいろな種類のものが市販されています。

まとめ

人間の本来の呼吸は、ほかの哺乳類と同様に鼻呼吸ですから、楽だからといって口呼吸の習慣をつけてしまうと、さまざまな弊害を生じます。病気の原因になったり、身体のさまざまな機能を低下させてしまうこともあります。
とくに睡眠時の口呼吸は意識して直すことが難しいので、いろいろな工夫をすることが必要です。

鼻の異常によって口呼吸になってしまう場合は、耳鼻咽喉科を受診して問題を解決しましょう。
口呼吸は虫歯や歯並びにも影響しますから、歯科でも相談を受け付けているところがあります。
また、睡眠障害を扱う受診科でも相談にのってもらえます。
この機会に、ぜひ口呼吸を本来の鼻呼吸に直しましょう。

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