夜眠れない、それなのに昼間はやたらに眠くてつらいし、仕事もはかどらない。
こんな悩みの多くに応えてくれる、睡眠障害の治療法があります。
「光学療法」というもので、光の力で体内時計をリセットし、睡眠障害を改善する治療です。
今回は、薬を飲まなくてもいいこの睡眠改善療法についてまとめました。
体内時計と「サーカディアンリズム」
「人間の生命活動は1日=24時間という周期になっていない」ということを知っている方も多いと思います。
「あ、それ知ってる。人間には『体内時計』があるんだよね。それが毎日ズレズレになるのが悪いんでしょ?」
そう思った方は、ちょっと惜しい!
厳密にいうと、もう少しフクザツな事情があるのです。
人間の1日は「25時間」。放置すれば全人類が睡眠障害に
人間は、体温や血圧の調節や内分泌、代謝、免疫、自律神経といったあらゆる身体機能を一定の周期で調節し、睡眠と覚醒をコントロールしながら生きています。
この周期を「サーカディアン(概日)リズム」と呼びます。
「概日」というのは「だいたい1日」ということですね。
なんだかアバウトなようですが、人間のリズムは正確な1日=24時間ではなく、多くの調査・研究によって「25時間前後」ということがわかっているのです。
つまり、人間の生体リズムは、毎日1時間ずつ、地球の1日から遅れています。
1週間放置すれば、7時間の遅れ。
ほぼ全人類が体調を崩して睡眠障害になってしまいます。ドースル?
体内時計がサーカディアンリズムを修正している
このようなことがないよう、サーカディアンリズムを制御して24時間の地球リズムに合わせているのが「体内時計」です。
聞いたことありますよね。
脳の「視交叉上核」というところにあって、たくさんの時計遺伝子をもった細胞が、毎日サーカディアンリズムを修正して、1日=24時間の生活に合わせてくれているのです。
これ、結構すごいコトですよね。
体内時計と光の関係
体内時計が働かない「概日リズム睡眠障害」
というわけで、この体内時計がちゃんと働いていれば、人間の生体リズムは正しく保たれて、生活に支障をきたすようなことはありません。
でも、そううまくいかない事情というのが、やっぱりあって。
いろいろな原因によって体内時計の働きが衰えると、サーカディアンリズムの修正がきかなくなり、地球リズムとのずれが生じて、身体の不調が出てきてしまうことがあります。
そうなるとどうなるか。
夜眠るべき時間帯に不眠になり、逆に昼間の時間帯に過眠になり、集中力は低下するわ、全身に倦怠感などが生じるわ、長期間にわたって、社会生活や日常生活送る上での苦痛や支障が起きてしまうのです。
これを「概日リズム睡眠障害」と呼びます。
体内時計のエンジンは「光」
体内時計の調節は、どうしてきかなくなってしまうのでしょうか。
えらい人が様々な研究を重ねた結果、次のようなことがわかりました。
朝、起床直後に太陽の強い光を十分に浴びると、体内の時計細胞が活性化し、サーカディアンリズムをより適切に制御できるというのです。
光を受けることによって体内時計が「進み」、サーカディアンリズムを引っ張り上げて修正してくれるわけです。
光を浴びることができないと体内時計は不活化し、1日25時間のサーカディアンリズムを修正できず、不調を感じるようになります。
太陽の光って、偉大すぎますね!
別の研究では、夜間に強い光を浴びると、体内時計が「遅れ」てしまい、生体リズムに悪影響が出るともいわれています。
いずれにしても、体内時計を健全に保つためには、朝日を十分に浴びることが必要なのです。
光とメラトニンの関係
メラトニンの分泌をコントロールする「松果体」
もうひとつ、睡眠・覚醒のリズムを作るのに大きく関係していると言われているのが、睡眠ホルモンとして知られる「メラトニン」です。
通常の生体リズムの中では、昼間に作られて夜分泌される、というサイクルで、人間が健全に眠れる仕組みを作っています。
このメラトニンの分泌を制御しているのは、脳の「松果体」という部分です。
ここがしっかり働かないと、メラトニンを作るはたらき・出すはたらきがかみ合わなくなり、いつも眠気があって治らないといった症状が表れてしまいます。
光のチカラで松果体を活性化
つまり。
ここでも重要なのが、「朝、光を浴びる」ことなのです。
光を受けることによって、松果体のメラトニンを作るスイッチが入る一方、分泌することが抑えられ、14~16時間後くらいから生成されたメラトニンの分泌が始まります。
朝から生成が始まれば、分泌されるのは当然夜。
というわけでメラトニンは、周囲が暗い環境でより分泌されることがわかっており、この点からも、「朝起きたら光の下へ」という生活習慣が、安眠生活にとても大切だということがわかります。
太陽の光、えらい!
光によって睡眠・覚醒リズムが改善される(出典:光療法推進委員会『光療法の総合サイト』から「高照度光療法とは – 体内時計、生体リズム」)
人工光で生体リズムを強制リセットする「光学療法」
「朝の散歩」で効果が出るなら楽勝じゃん?
ここまで、朝起きた直後に光を浴びることで、身体の生体リズムが整えられて睡眠障害が改善・回復する仕組みを見てきました。
実際にこれをやるなら、起き抜けすぐに日光浴、または散歩ができればいい、ということになります。
薬やサプリも必要なし。別にお金を払わなくても、自然光はどこにでもあり、使っても減りません。
「ナニそれ、楽勝じゃん!?」
そう思ったあなたは、環境に恵まれているか、または障害が軽いのかもしれません。
じつは世の中には、いろいろな理由で朝十分に自然光を受けられない人、またそうできないほど重い障害を抱える人もたくさんいるのです。
ようやく本題まで来ました。
そうした人たちのために考案されたのが、「光学療法」なのです。
高い確率でうつ病の治療に成果
「ライトセラピー」とも呼ばれるこの治療法は、自然光の代わりに人工の光を患者に当てることで生体リズムを修正・調節し、睡眠障害を改善させるものです。
季節性うつ病の治療法として1982年に確立され、その後の研究で、非季節性のうつ病にも効果があることがわかってきました。
カナダの研究チームによる2015年の発表によれば、非季節性大うつ病の患者を対象としたランダム調査を行った結果、44%の人で光学療法による症状の改善が見られたといいます。
本当につらかったら、頼ってみてもいいかも
睡眠障害というのは、うつについて回る症状でもあり、概日性障害も多く見られます。
この光学療法は、現在ではうつと切り離した概日リズム睡眠障害の治療法として、多くの病院・治療院で採用されているのです。
「昼間あんなに眠いのに、どうして夜になるとパッチリしちゃうんだろう。病気かな……」
「日中、眠くて眠くてフラフラ。これじゃ全然仕事になりません」
「メラトニンサプリ飲んでるけど、効いてないみたい。どうしよう」
本気で困っているあなた、一度、治療院を訪ねてみるのもいいかもしれませんよ。これは別に朝イチじゃなくてもいいですし(笑)。
はい、以上は「光治療」についての記事の前半です。
まずは、概日リズム睡眠障害のメカニズムと、それを改善する光学療法のあらましについてお伝えしました。
続編では、光学療法の詳しい紹介、治療の実際、自宅で治療できる可能性などについてお伝えずる予定です。
お悩みの皆さん、どうか参考にしてくださいね。
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・ジョンズ・ホプキンス大学との共同開発:PEGASI Light Therapy Systemの技術は、ジョンズ・ホプキンス大学医学部の臨床試験を含む、10年にわたる研究成果から生まれました。
・安心の米国国立睡眠財団の会員:PEGASIは米国国立睡眠財団(US National Sleep Foundation)のメンバーであり、10件の特許を取得しています。
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